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2月14日の中国会社法改正セミナー:セミナー資料の目次(予定)

中国の会社法改正について、2月14日にオンラインセミナーでお話させていただく予定になっていますので、そのセミナー資料の目次をご紹介します。 下記は現時点で手元に用意してある資料案によるものですが、当日は時間の関係で全部はお話できない可能性がありますので、その点はどうぞご容赦くださ...

2022年9月26日月曜日

9月第3週:①中央企業と紛らわしい企業リスト、②国家基準管理弁法改正(国家基準の外国語版と版権・著作権)、③クレジットカードの貸し借りに関する注意喚起

①中央企業と紛らわしい企業リスト

国有資産監督管理委員会から、中央企業(中央政府が監督管理する国有企業)と紛らわしい名前の企業があるということで、そのような企業のリストが公表されていました。
今回のものは第二弾だそうで、第一弾は去年10月に出ていました。
これらのリストに掲載されている会社、社名に「中鉄」や「中建」などの文字が入っていて見た目は中央の国有企業の傘下のグループ企業のように見えるのですが、実は投資関係も提携関係もないそうです。
以前は中国は会社名称の審査が厳しかったですが、今はこのような紛らわしい社名でも登記・登録できてしまうようで、規制の変化の表れでもあるかと思います。

②国家基準管理弁法改正(国家基準の外国語版と版権・著作権)

中国の国家基準(GB:国家標準)に関する法令、《国家基準管理弁法》が改正されました。1990年施行以来の改正となります。
《標準化法》も2018年施行のものが1989年の施行以来の改正であったので、こちらも《標準化法》の改正を受けたものと理解してよいものと思います。強制性国家基準については、先に2020年に施行された《強制性国家標準管理弁法》が優先となります。
技術発展の過程にあって、発展を指導する必要がある又は標準化するに値する項目については、国家標準化指導性技術文書(GB/Z)という別の文書で定めることができることなどが定められています。
国家基準とその外国語版について、「版権」(=著作権。《著作権法》第62条)があることも明文で規定されています。国家基準自体に著作権があるので外国語版にもその著作権が及ぶことは当然ではありますが、参照する場合は国家標準化管理委員会のものを参照した方がよさそうです。
 参考1:国家標準化管理委員会の2013年の記事「標準版権管理」
 参考2:国家基準全文公開システム

③クレジットカードの貸し借りに関する注意喚起

銀保監会の消費者権益保護局から、クレジットカードの貸し借りに関する注意喚起が出ていました。
クレジットカードを他人に貸すことは刑法上の詐欺罪などにも該当する可能性があることなど、ごく当たり前の内容ではありますが、これに合わせて、過大な借入や返済のための借入などに関する注意喚起も記載されています。

2022年9月19日月曜日

9月第2週:①科学研究の信用失墜行為、②自動車業界標準必須特許許諾指針(2022年版)、③市場主体の制度性取引コスト低減

①科学研究の信用失墜行為

科学研究における準則及び規範に対する違反があった場合に、「科研失信行為」として処罰する際の調査処理規則が発布されています。
https://www.most.gov.cn/xxgk/xinxifenlei/fdzdgknr/fgzc/gfxwj/gfxwj2022/202209/t20220907_182313.html
他人の研究成果の剽窃や研究データの改ざん、賄賂等の不正な手段による奨励・栄誉の取得などの行為を対象に、学位の取消や一定期間の財政性資金プロジェクトへの参与禁止などの処罰を科すこと、及びその処罰に至るまでの通報や調査などの規則が規定されています。
科学技術活動に従事するにあたっては、科学技術活動管理規範を遵守しなければならず、重大な違反がある場合は科学研究信義誠実重大信用失墜行為データベースに掲載されます(《科学技術進歩法》第107条第2項)。このデータベースへの組入れも処罰の一つとして列挙されています。

②自動車業界標準必須特許許諾指針(2022年版)

中国汽車技術研究中心(CATARC)と中国通信院(CAICT)が共同で、自動車業界の標準必須特許のライセンスに関するガイドライン(2022年版)を公表しています。
「標準必須特許」(SEP:Standard-Essential Patent)とは、日本でも目にする言葉ですが、ある技術標準・規格を実施するときに必ず使用することになる特許のことです。
内容としてはそれほど分厚いものではなく、原則的なルールが書かれているものですが、合理的なロイヤリティの計算のしかたとして、まず必要になる必須特許の全てのライセンスを受けるためのロイヤリティ上限を決めて、そこから実際に必要になる特許の割合を計算して決めるなどの考え方が示されています。

③市場主体の制度性取引コスト低減

国務院弁公庁から、ビジネス環境改善のための各種の取引コスト低減のための意見が出ています。
今年10月末までに市場参入障壁につき隠れた障壁を含めて整理すること、全国版のクロスボーダーサービス貿易のネガティブリストを公表すること、同じく10月末までに工事建設分野の入札等の業務の全過程オンライン処理及びデジタル証書の地区を跨ぐ相互承認を実現することなど、近い将来に各種の制度変更が予定されています。
2022年末までとされている項目も多数あるため、今後、年末にかけて取引に関する制度が変わる部分が多くなってくる見込みです。


2022年9月12日月曜日

9月第1週:①業種協会・商会の改革発展のための連席会議、②5G全連接工場、③ポップアップ情報のプッシュ送信、④中秋節・国慶節期間の省を跨ぐ移動

①業種協会・商会の改革発展のための連席会議

業種協会・商会の改革発展のための、省庁を跨いだ横断的な連席会議が設置されています。
もともと2007年に業種協会・商会の改革発展に関する指導意見が出ており、そこでは政府機関と業種協会・商会の分離という方針が示されていました。
http://www.gov.cn/gongbao/content/2007/content_663678.htm
2015年には、この分離のための工作組(ワーキングチーム)も設置されていましたが、今回はこの従来の工作組を廃止して、連席会議に切り替えるようです。
http://www.gov.cn/gongbao/content/2015/content_2901370.htm
http://www.gov.cn/gongbao/content/2015/content_2909259.htm
メンバーを見比べてみると、招集者となっている国家発展改革員会と民政部からは主任と部長がそれぞれ副主任、副部長となっており、参加する省庁も少し減り、必要に応じて参加する形に変更されています。
より個別の課題に機動的に対応できるように、ということかと思われます。

②5G全連接工場

《5G全連接工場建設指南》という文書が工業情報化部から公表されました。
http://www.gov.cn/zhengce/zhengceku/2022-09/08/content_5708854.htm
各企業の工場の現場で、スタンドアローンで稼働している機器をネットワーク化していくことをサポートするとのことです。また、5Gによってリアルタイムで収集される膨大なデータの分析・活用のためのAIなどを活用したサービスについても言及されています。
分級分類建設ということで、「5G全連接」と一言でいっても作業場レベル、工場レベルで異なる類型のものであっても良いようです。また、業種ごとに重点項目がリスト化されています。

③ポップアップ情報のプッシュ送信

インターネットのサイトやアプリ、その他のシステムにおいてポップアップ情報をプッシュ送信するサービスに関する新しい管理規定が出ました。
ゴシップ情報(八卦、绯闻)や贅沢の見せびらかしなどの公序良俗に反する内容や、新聞でない「旧聞」を繰り返し送信することは禁止されています。
また、日本でもアフィリエイト広告の規制が話題になっていますが、広告情報については明確に『広告』と表示し、ワンクリックで閉じることができるようにすることなども求められています。

④中秋節・国慶節期間の省を跨ぐ移動

中秋節・国慶節の連休期間について、今年も連休は現地で過ごすことが提唱されています。
http://www.gov.cn/xinwen/2022-09/09/content_5709149.htm
飛行機や高速鉄道に乗るには48時間以内の陰性証明が必要であるほか、(強制ではなく任意で、移動を制限しない原則のもと)到着地での検査を行うことが奨励されています。
期間は9月10日~10月31日と書かれていますので、連休期間の前後も対象のようです。


2022年9月5日月曜日

8月第5週:①データ出国安全評価申請指南、②反電信ネットワーク詐欺法、③公安機関の反組織犯罪業務規定、④違法嫌疑社会組織リスト

①データ出国安全評価申請指南

《データ出国安全評価管理弁法》が9月1日から施行されました。これに合わせて、国家インターネット情報弁公室から、「データ出国安全評価申請指南(第一版)」という文書が公表されています。
申請書類のリストや申請資料の書式も掲載されています。

②反電信ネットワーク詐欺法

電信ネットワークの技術的手段を通じて、リモート・非接触などの方式で公私の財物を詐取する行為に対する各種の対策について横断的に定めた法律が出ました。
対策の根幹をなすユーザーの実名登録制度から始まり、電話の大量発信や自動切換などの機能を持つ機器設備やソフトウェア、プラットフォームなどの提供についても禁止しています。また、金融機関における顧客デューディリジェンスや、ネットに関しても仮想通貨を使ったマネーロンダリングなどの幇助行為を含めて禁止しています。

③公安機関の反組織犯罪業務規定

昨年末に公布され、今年5月1日から施行されている《反組織犯罪法》(中国語「反有组织犯罪法」)に関する業務規定が出ています。
国際協力の部分では詳細な規定は特に置かれていないようですし、全体としても《反組織犯罪法》に関する公安機関における対応を具体化したもので特に目新しいところはなさそうですが、①の電信ネットワーク詐欺に関する規定でも国外における活動についても対象とすることが規定されていますので、機会があればよく見ておこうと思います。

④違法嫌疑社会組織リスト

民政部から、2022年の第2回違法嫌疑社会組織リストが発表されています。
国际信用与能力认证协会(国際信用及び能力認証協会)など、いかにも公的な団体のような名称の社会組織が列挙されています。
参考までに、2022年第1回は以下のとおり、「全国企业联盟发展中心」(全国企業連盟発展センター)といった団体も挙げられていました。
似たような名称でも騙されてしまうことがないように、きちんとご確認ください。