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2月14日の中国会社法改正セミナー:セミナー資料の目次(予定)

中国の会社法改正について、2月14日にオンラインセミナーでお話させていただく予定になっていますので、そのセミナー資料の目次をご紹介します。 下記は現時点で手元に用意してある資料案によるものですが、当日は時間の関係で全部はお話できない可能性がありますので、その点はどうぞご容赦くださ...

2024年5月13日月曜日

5月第1週: ①受益所有者情報管理弁法、②国務院2024年度立法業務計画、③国家安全機関の行政・刑事手続規定

5月第1週は労働節の連休でしたので、引き続き4月末発布の分を含めてご紹介します。


①受益所有者情報管理弁法

マネーロンダリングやテロ活動のための資金調達の防止のために、受益所有者(受益所有人)についての情報を登録するよう求める弁法が中国人民銀行(中央銀行)と国家市場監督管理総局から発布されています。11月1日から施行となります。
ここにいう受益所有者(受益所有人)とは、直接または間接に最終的に企業等の届出主体の25%以上の株式や持分を保有している自然人をいいます。規模の小さい会社や個人事業主を除き、会社や組合企業がこの受益所有者の情報を届け出ることになるようです。

②国務院2024年度立法業務計画

国務院の2024年度の立法業務計画が公表されています。
国務院の行政法規の方は、経営者集中申告標準規定の改正や、生態保護補償条例、消費者権益保護法実施条例、公正競争審査条例など、既に成立しているものも多く見られます。一方で、全人代常務委員会での審議に上程される予定の法律案については、まだ成立していないものがほとんどですが、あまり重要な予定はなさそうに見えます。
今年は会社法改正に集中できそうで、少しほっとしています。

③国家安全機関の行政・刑事手続規定

《反スパイ法》改正成立から一周年にあたってということで、国家安全部からの「行政法執行手続規定」「刑事事件処理手続規定」という2つの規定が発布されています。
全文についての公式な掲載情報が直ちに見当たらなかったので、国家安全部のWeChatアカウントの記事のURLを書いておきます。条文数はそれぞれ140ヶ条、360ヶ条という、相当に分厚い規定です。ただ、内容は一読する限りでは目新しい内容はあまり無く、取締にあたっては2名以上で行うことなど、一般的な内容が多い印象です。ただ、全過程の録音録画を求めている規定もあり、濫用的な取締がなされず、適正な運用が行われるように配慮されているようにも感じます。


2024年5月6日月曜日

4月第4週: ①関税法(关税法)、②学位法、③農業技術普及法、未成年者保護法、生物安全法の改正

5月の連休などがあったため一週間休載しました。あしからずご了承ください。

①関税法(关税法

《関税法》という新しい法律が公布されました。これで中国の現行18種類の税金のうち、13種類について法律が制定されたことになるのだそうです。
これまでも関税については「税関法」(海关法)や「輸出入関税条例」に規定はあったので、それらと大きく変わるものではありませんが、いわゆる米中貿易摩擦などもありましたので、報復性関税等の措置についての条文など新たな内容も若干見られます。

②学位法

大学や大学院を卒業した学生に授与される学位についての法律が出ています。
https://www.gov.cn/yaowen/liebiao/202404/content_6947841.htm
従来は「学位条例」という条例があったのですが、これを廃止して法律に昇格させたものです。
学位とは、大きく以下の3種類がありますが、この点は特に変わりありません。
 学士 = 大学の本科を卒業した学生。
 修士(碩士) = 大学院卒又は在籍の研究生で、修士課程合格者。
 博士 = 同じく大学院卒又は在籍の研究生で、博士課程合格者。
論文の剽窃、盗用などの不正行為があった場合の学位の取消等についての規定が置かれていることや、学位授与の基準等についての分類・差別化が強調されていることが注目されているようです。

③農業技術普及法、未成年者保護法、生物安全法の改正

上記の2つの法律の公布と相次いで、3つの法律の改正が公布されています。
以前にご紹介した国務院機構改革方案に基づき、政府の各担当部門の関連条文を調整しただけの内容ですので、実務には直接の影響はなさそうです。