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2024年4月22日月曜日

4月第3週:①上場会社の「殻」の価値削減、②上場会社の監督管理強化、③商業分野での決済の利便性向上

①上場会社の「殻」の価値削減

証監会から新たに、上場会社の市場退出メカニズムの健全化の実施方案が出ています。
中国の上場会社の一部にあっては、上場審査をパスする難関を避け、既に上場している上場企業を使って買収と事業再編などを通じて他の会社が実質的に上場の目的を果たすこと(いわゆる「裏口上場」)のために、本来であれば上場廃止になるべきところ上場会社の地位にとどまって「殻」(=上場会社としての地位)を第三者に売却しようとする問題などが見られます。
投資家の保護を強化しつつ、「殻」の価値を削減していくとして、粉飾決算のあった場合の上場廃止や、買収・再編にあたっての審査を上場審査並みに厳しくすることなどが挙げられています。

②上場会社の監督管理強化

国務院からも、上場の参入時から上場後、さらに上場廃止までの全過程についての監督管理についてのリスク防止の強化についての意見が出ています。
今回の注目点としては、「仲介機構」のブラックリストについての規定が挙げられます。ここにいう「仲介機構」とは、いわゆる証券会社のことで、証券発行会社と投資者との間で専門的な仲介業務、つまり証券の売出や推薦、売買の代理などの業務を行います。一方、会計士事務所、弁護士事務所、評価会社などは「証券サービス機構」という分類になります。どちらも地方レベルでは以前から処罰を受けた会社や事務所がリスト形式で公表されていることはあったように思いますが、証券会社の選別・淘汰が進むことが期待されるとともに、証券会社等におけるM&Aなどの業務の対応が慎重になり、プロジェクトが進めづらくなる場面も予想されます。

③商業分野での決済の利便性向上

中国人民銀行、商務部、国家外貨管理局が共同で、商業分野における支払決済の利便性向上についての意見を出しています。
https://www.gov.cn/lianbo/bumen/202404/content_6945991.htm
先だって3月にも支払決済の利便性向上についての政策についてご紹介していましたが、それを受けて具体的に各地の商務部門と人民銀行の支店が連携して、ショッピングセンターなど重点場所でのATMの展開・改造などの施策を進めることなどを述べています。
現金使用環境の改善や外国銀行カードへの対応などについても挙げています。




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