①中国企業の国外での独禁法コンプライアンス
市場監督管理総局から《企業の国外反独占コンプライアンス指針》が発布されました。中国企業が中国国外で活動するにあたり、カルテル等の独禁法違反事件を発生させないように、業種協会への加入前における調査や留意事項、競争業者間で合弁・提携などを行う場合や自社の市場シェアが高い場合の潜在的危険などが説明されています。
中国が《反独占法》を制定してから、まだ10数年しか経過していませんので、まだまだ多くの中国企業では「独禁法のない世界」で育ってきた方々が経営陣に多数いらっしゃいます。もちろん、若手の方々であっても、日本の会社のような独禁法のコンプライアンス教育など受けていないわけですから、おそらく、中国企業内部の独禁法コンプライアンスの意識は日本企業の方々とは差があるものと推測します。
コロナ禍の前は、大挙して海外旅行に繰り出す中国からの団体観光客のマナーが新聞などで取りざたされることも多かったですが(少し懐かしいですね)、中国企業各社が外国にあっても中国国内と同じように振る舞うことは、言われてみればありそうな光景にも思えるので、このようなガイドラインはあった方が良いような気がします。
②知的財産の資産としての活用
先月からの引き続きの話題ですが、早速、特許権の質権設定に関して、より幅広く登記を認める法令改正がありました。
中国企業各社は経済的インセンティブの有無に対して非常に敏感ですから、知的財産権を担保として資金調達ができる機会が広まっていけば、さらに知的財産自身の開発も促進されることが見込まれます。
以前にも少し述べましたが、日系企業各社においても、知的財産を現地法人に持たせて資金調達に役立てることを合弁会社の中国側パートナーから求められる機会が増えてくると見込まれますので、大きな方向性としては知っておいていただければと思います。
③安全生産の特別取締活動
安全生産の特別取締活動が行われます。来年4月から7月にかけて検査が行われますが、その前に11月から来年3月にかけて、各社が自主検査・是正活動を行うことが求められています。
工場での事故防止活動については、日系各企業では平素から取り組みが行われていると思いますが、逆に形式面で、研修はしているのに研修実施記録を残していない場合などがありますので、形式面で資料が整っているかどうか、見直してみる機会としていただくのも良いのではないでしょうか。
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