Amazonで購入された中国製の製品について、「販売元」が中国であるとき、もし製品に欠陥があって、ケガをしたり、他の家財を壊してしまったり、そのような事故やトラブルが起こったら、いったいどうすればよいのでしょうか?
Amazonのネット販売プラットフォーム・マーケットプレイス上では、注文履歴から「販売元」を確認することができ、AmazonのアプリやWebサイトから連絡することができます。
しかし、連絡しても返事がない、資料を要求されるばかりで解決しない、そのようなこともあるかと思います。
Amazonのカスタマーサービスに電話やチャットで連絡してサポートを受けることもできるのですが、ある程度の助言などはいただけるものの、「これ以上は対応いたしかねます」といったように、Amazonからのサポートも断られてしまう場合もあります。
こういった場合、Amazonのような大手でもサポートしてもらえないとなると、「自分の使用・保管のしかたが悪かったのかな...」、「自分の対応も悪かったのかな...」などと自分を責め、落ち込んでしまう方もいらっしゃるようです。
しかし、当然ながら、悪いのは欠陥商品を販売した側なわけで、購入者の方々には何らの落ち度もないわけですから、そのように気に病まれる必要は全くなく、然るべく補償を求めていくのがよろしいかと思います。
実は、連絡の取りかたや連絡内容、誰にどのように連絡すれば「マトモに」対応してもらえるのか、という問題も実際には大きく影響します。
連絡方法一つとっても、対応してもらえる連絡方法、対応してもらえない連絡方法があります。
ひたすらに何度も電話するといった対応をする消費者の方もいらっしゃるようですが、あまりお勧めできる対応とは言いがたいところもあります。
法律的には、「販売元」に対して補償を求めていくことが、通常の場合、法的にも根拠があり、対応としては適切であると思います。
「販売元」が日本の企業や個人である場合には、日本の製造物責任法(PL法)に基づき「輸入者」としての責任を追及することができますので、もし返事が来なくなっても訴えればよいだけで、問題はそう大きくはありません。
しかし、「販売元」が中国の企業や個人である場合、そうはいきません。
文字どおり、天と地がひっくり返るほどの差が生じます。
事故に関する補償を求めようとしても、中国での訴訟を起こす必要があるので、「泣き寝入り」になってしまう危険性が非常に大きくなります。
ですから、できるだけ訴訟にならずに解決できるように、Amazonのサポートを求める必要性が高くなります。
ということで、Amazonでお買い物をされる皆様には、必ず、「販売元」が日本の会社か、中国の会社か、よくご確認いただくことを強くお勧めします。
「出荷元」はこの場面では関係ありませんので、十分お気をつけください。
私自身、個人的にも、価格の差がそれほど大きくなければ、日本の会社が販売元になっている方を選ぼうと思っています。
(私自身は大阪生まれ大阪育ちなもので、どうしても「最安値」を選ぼうとする気持ちが強くなってしまうのですが...。自戒を込めまして。)
補足:
ちなみに、「販売元」が中国の企業や個人である場合、Amazonに補償を求めることは一切できないのでしょうか?
この点については、ニュースにもなった東京地裁令和4年4月15日判決があります。モバイルバッテリーのリチウムイオン電池が発火した事例でした。
ただ、この事例は消費者と中国のメーカーが既に和解して、中国のメーカーから一定の補償を得た後に、さらにその消費者の方がAmazonに対しても責任を追及したということで、とても特殊な事例です。
徐々に法律も整備されてきて変わってきているところがありますから、仕組みをよく理解して、連絡のしかたなど正しく対応していくのが、無駄な心理的負担もなく、事故・トラブルのキズを大きくしないためにもよいだろうと思います。(もし機会があれば別途ご紹介いたします。)
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