注目の投稿

公益通報者の匿名性: 「通報者探し」(通報者の探索)をしてはいけないことの根拠条文(日本)

最近何かと話題の公益通報について。 業務上、社内の不正などに関する内部告発について取り扱う機会が多いので(特に中国は匿名での内部通報は多いです。)、少し書き留めておきます。 匿名での通報があったときに、なぜ「通報者探し」(※)をしてはいけないのか?という点について、法令上の根拠条...

2023年5月22日月曜日

5月第3週:①生態環境行政処罰弁法、②「企業商業秘密保護能力向上サービス月間」、③能動的司法の典型案例10事例

①生態環境行政処罰弁法

生態環境部から、環境関連の行政処罰を行う際の手続を定めた新しい弁法が出ています。
改正により、名称も2010年の《環境行政処罰弁法》という名称から変更されました。
自動モニタリングデータ設備のデータを毎日12時にマーキングして、モニタリングデータの有効性について異議がないことを確認するという手続などが新たに規定されています。

②「企業商業秘密保護能力向上サービス月間」

国家市場監督管理総局にて、今年6月に初めての「企業商業秘密保護能力向上サービス月間」活動を行うとのこと。ここにいう商業秘密には、技術情報が含まれます。
各企業へのヒアリング等を行って1対1のサービスを提供すること、政策法規の普及活動を行うこと、企業の内部管理制度などにつき行政指導を行うこと、侵害行為の取締を強化すること、とあります。
重点分野では司法部門と協力して大規模・重要事案の調査処理を推進するとのこと。

③能動的司法の典型案例10事例

最高人民法院から、執行案件における「能動的司法」の典型事例10事例が公表されています。
中国の執行をめぐっては日本と違うところも多々ありますが、今回紹介されている各事例は、まさに強制執行の案件を手掛けている身としては非常に実感のある、分かりやすい事例が紹介されていると感じられます。
詳しくは別の機会にご紹介できればと思います。


2023年5月18日木曜日

《反スパイ法》改正に関する記事を掲載いただきました。

SMBC Global Informationにて、下記記事を掲載いただきました。

SMBC・中国レポート~法務編
【中国】反スパイ法の改正 について


2023年5月15日月曜日

5月第2週:①不動産仲介業の規範化、②出入国管理の緩和、③重大事故リスク判定基準解読

①不動産仲介業の規範化

住宅都市建設部と国家市場監督管理総局から、不動産仲介業に関するルールの徹底を求める意見が出ています。
仲介業務は基本業務(物件情報提供や物件内覧、契約締結など)のほか、住宅ローン手続代行費用など別途料金が必要な業務もあります。いずれも料金を明示する必要があります。
契約書式は各住宅都市建設部門が制定することなどが規定されています。

②出入国管理の緩和

国家移民管理局から、5月15日以降の出入国管理の緩和についての公告が出ています。
香港・マカオへの団体旅行の手続が全国でできるようになったとのこと。
外国人については、永久居留証や電子パスポートを持っている場合は「快捷通道」を通れるそうです。

③重大事故リスク判定基準解読

応急管理部から、3月に出ていた重大事故リスク判定基準についての解説が出ています。
図なども入って細かく説明されています。自社に関係する箇所だけ見ればよいものかと思います。

2023年5月11日木曜日

コンサルティング会社のマッチングサービスと国家機密の不正取得

5月8日のCCTVの報道で、Capvision(凯盛融英)というコンサルティング会社の国家機密不正取得事件が報道されていました。
--------
CCTV《焦点访谈》 20230508 别有用心的咨询
--------

報道によれば、この会社は「各分野の専門家と企業をつなぐ」サービスを展開しており、政府や国有企業で勤務している個人を「専門家」として登録して企業をマッチングさせていたそうで、

2023年5月9日火曜日

5月第1週:①国有企業・上場会社の会計事務所選任、②演出(公演・興行)市場秩序の管理強化

①国有企業・上場会社の会計事務所選任

財政部、国有資産監督管理委員会、証監会の3部門連合で、国有企業・上場会社の会計事務所選任についての通知が出ています。
http://www.gov.cn/zhengce/zhengceku/2023-05/05/content_5754176.htm
選定のための評点をつけるときに、品質管理水準の比重を40%以上にすること、費用見積の比重を15%にすること、といった記載があります。
8年以上連続して同じ会計事務所を起用してはいけないということも規定されています。
日系企業には直接の影響はなさそうですが、合弁会社の中国側パートナーや取引先の上場会社などで会計監査が厳しくなり、これまでどおりの資金調達や取引ができなくなることもあり得ますので、少し気になる話題ではあります。

②演出(公演・興行)市場秩序の管理強化

新型コロナウイルスの流行による行動制限が緩和され、コンサートなどのイベントも活発になってくるということで、「黄牛(ダフ屋)」によるチケット高値転売の取締などに関する通知が出ています。
事業主体については従来から行政上の許認可の規制が厳しい分野ですが、出演者を主催者が勝手に変更してはいけないこと、雑技などの危険性が高い演目では安全管理や保険付保を促すことなども規定されています。
「口パク」は不可、ということなども書いてあるので、なかなかに規制が細かいです。


2023年5月2日火曜日

4月第4週:①《反スパイ法》改正、②対外貿易促進、③中国への渡航前の検査緩和

①《反スパイ法》改正

中国で邦人がスパイ容疑で身柄拘束される事例が少し前に話題になりましたが、これに関する《反スパイ法》という2014年にできた法律が改正されました。
これに先立って2021年4月に《反スパイ安全・防止業務規定》という国家安全部の規定があり、反スパイの教育・研修などを実施して安全・防止意識と対応能力の向上が求められ、重点単位リストによる管理なども定められていました。
今回の改正法では、従来からあった国外追放の規定のほかに、国外送還に関する規定が追加されるなどの変更があります。
詳しくは別の機会にご紹介予定です。

②対外貿易促進

対外貿易促進に関する新たな政策意見が公表されています。
http://www.gov.cn/zhengce/content/2023-04/25/content_5753130.htm
展覧会の強化や自動車輸出の支援、先進技術設備の輸入奨励などが挙げられています。

③中国への渡航前の検査緩和

日本から中国に渡航する際の手続がさらに緩和されるそうです。
従来はPCR検査が必要でしたが、4月29日から、自前の抗原検査キットでの検査でOKとなります。
(日本語ではよく読み取れませんが、中国語原文を見ると「自行使用抗原试剂盒」と書いてあります。)
税関アプリでの健康表明カードの記入は引き続き必要となっています。
また、残念ながら、ノービザ入国の復活はまだですので、引き続き、ビザの手配はお早めにお願いします。




2023年4月25日火曜日

4月第3週:①党内法規制定業務計画綱要、②2022年の十大知的財産権事件、③美容医療サービスのモデル契約書式

①党内法規制定業務計画綱要

中国共産党中央委員会から共産党内のさまざまなルールの制定に関する計画(2023~2027年)が公表されたということで、国務院のWebサイトでも紹介されていました。
http://www.gov.cn/zhengce/2023-04/18/content_5752088.htm
共産党内における党員規則や政治思想、党の歴史の教育など、さまざまなルールの制定が計画されています。党の紀律処分に関する条例の改正など、反腐敗に関するルールも更新が見込まれているようです。

②2022年の十大知的財産権事件

最高人民法院から、2022年の知的財産権関連の十大事件と、50件の典型案例が公表されています。
https://www.court.gov.cn/zixun-xiangqing-397162.html
よく使われる検索キーワードを大量に含む広告ページを生成してインターネットの検索エンジンの管理秩序に干渉したということで不正競争行為と認定された事例や、NFT(Non-Fungible Token)の取引プラットフォームに贋作が掲載された場合にプラットフォーム事業者による権利侵害を認定した事例など、今年も目新しい事例が紹介されています。

③美容医療サービスのモデル契約書式

国家市場監督管理総局から、美容医療サービスに関して消費者と締結される契約書のモデル契約書式が公表されています。
クーリングオフや懲罰的賠償に関する条項などが明記されています。

2023年4月17日月曜日

4月第2週:①公衆マスク着用指南(2023年4月版)、②セクハラ防止制度(参考文書)、③工業製品の生産・販売の品質安全

①公衆マスク着用指南(2023年4月版)

マスク着用要否についての新しいガイドラインが出ました。
「露天広場、公園などの屋外場所」のほか、「人員が相対的に固定されている室内の業務場所や会議室など」についても、マスク着用不要の場面の一つになっています。
中国にいる方々や中国に出張なさる方々はご一読ください。

②セクハラ防止制度(参考文書)

少し前ですが、人力資源社会保障部弁公庁など6部門から連合で、業務場所におけるセクハラ防止・除去に関する制度の参考文書が公表されていました。
セクハラの被害者が「二次傷害」(二次被害)に遭わないように、加害者を被害者と接触しがたい業務職位に異動させることなどが記載されています。(逆に被害者を異動させてしまわないようにご注意を。)

③工業製品の生産・販売の品質安全

工業製品の生産・販売単位の品質安全主体責任に関する監督管理規定が出ています。
責任追及や処罰の対象となる「主要責任者」は法定代表者、【法定代表者の委託者】又は実質支配者を指すとされています(ともに第18条第4号)。
日系企業の場合、この「主要責任者」は工場長など社内のどなたかに委託をしておく方が安全かと思います。

2023年4月11日火曜日

4月第1週:①全国各地区の最低賃金基準、②輸入危険化学品の管理強化、③反外国制裁

①全国各地区の最低賃金基準

人力資源社会保障部のWebサイトに、2023年4月1日時点の各地の最低賃金の表が掲載されています。
http://www.mohrss.gov.cn/SYrlzyhshbzb/laodongguanxi_/fwyd/202304/t20230401_497838.html
例によって、この最低賃金の金額に社会保険の個人納付分を含むか含まないかは、各地方により異なっていますので、ご留意ください。

②輸入危険化学品の管理強化

税関総署から、輸入危険化学品の検査検疫の監督管理強化に関する公告が出ています。
「中国国際貿易単一窓口」というWeb上のプラットフォーム(https://www.singlewindow.cn/)から国連番号やラベルについて申告することなどが言及されています。

③反外国制裁

外交部から、米国の研究所などに反外国制裁法に基づく措置を講じる旨の決定がありました。
《反外国制裁法》第3条第2項は文字通り外国制裁ですが、第1項の内政干渉に対しても制裁が課される対象になります。
ジェトロのWebサイトでも紹介されていますので、詳細はそちらをご覧ください。