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2021年7月16日金曜日

7月第3週: ①電子労働契約、②月36時間残業、③経営者集中(企業結合)禁止事例、④セキュリティ脆弱性管理弁法、⑤虚偽の検査証書の販売、⑥AI医療用ソフトウェア

①電子労働契約

電子労働契約の締結についてのガイドライン(《電子労働契約締結指針》)が発布されました。
電子労働契約については、既に各都市で先行しているところがあり、例えば杭州市の人力資源社会保障局が牽引する電子労働契約サービスのプラットフォーム(通称「杭云签」)があり、2020年12月に正式リリースされて以来、既に6月中旬で130万件以上の締結実績があるとのこと。
一度も会わずに労働契約が締結できるということで、コロナ禍の時代にはピッタリなようにも思います。
さまざまな場面で活用が考えられるところです。

②月36時間残業

もう一つ、人事労務の話題では、月36時間の残業上限を超えて処罰された事例がニュースになっていました。
《労働法》では毎月の残業時間は36時間が上限と定められているのですが、人手不足や季節要因などもありますので、管理が難しいところではあります。日本では原則45時間ですが、36協定によって延長できますので、日本よりも中国の方が厳しいです。
それにしても、10年前の中国の様子を思い出すと、中国でそんなに残業が増えるとは思いませんでした。

③経営者集中(企業結合)禁止事例

「虎牙」と「斗魚」の合併を禁止した反独占法の経営者集中(企業結合)審査の事例が出ました。いずれもゲームのライブ動画配信プラットフォームのようですが、市場シェア40%と30%で、虎牙は腾讯(Tencent)が支配権を持っているとのこと。
反独占法で経営者集中が禁止された事例というのは、確か2008年に反独占法が施行されてから1件か2件しか無かったと思いますので、非常に珍しい事例と言えます。
今のIT企業に対する風当たりの強さを象徴する事例と言って良いのではないでしょうか。

④セキュリティ脆弱性管理弁法

最近話題のサイバーセキュリティ関連では、工業情報化部、国家インターネット情報弁公室、公安部の3部門から、セキュリティ脆弱性の管理規定が発布されました。
セキュリティ脆弱性が発見された場合、ネットワーク製品の提供者は2日以内に工業情報化部のセキュリティ情報共有プラットフォームに情報を報告する必要があります(第7条第1項第2号)。
ここにいう「ネットワーク製品」には、ハードウェアも含まれます。例えばネットワークカメラなど、最近の機器はネットにつながる場合も多いですから、当然といえば当然です。
ネットワーク製品の提供者が情報提供を受け付ける仕組みを作り、情報提供に対して報奨を与えることを奨励する(第7条第3項)ともありますが、見ず知らずの第三者から「御社の製品に脆弱性がありますよ」という連絡が来て対応する場面を考えてみると、なかなか大変なようにも思えます。

⑤虚偽の検査証書の販売

もはやECプラットフォーム上で買えないものはないほどの勢いですが、虚偽の検査・測定報告書も売りに出ているとのこと。
7月7日に一部メディアでそのことが報道された後、翌日7月8日には直ちに市場監督管理総局が各プラットフォームが自主的にこれを調査・排除するように要請したとのことで、検査・測定に関する市場の信頼を重視していることが見て取れます。

⑥AI医療用ソフトウェア

最後に、医療の業界の話題としては、AIを使った医療用ソフトウェア製品は医療機器として承認・登録が必要になっているところ、医療用のものかどうかの区分のガイドラインが出ています。
例えば、単に医療機器のデータを処理・分析するためのソフトウェアや、患者の主訴・検査結果などを記録するだけのソフトウェアであれば医療機器にはならず、一方で、同じく医療機器のデータを処理・分析して何らかの病変の特徴識別や性質判定、服薬指導などに使おうとすると、医療機器として管理されることになるようです。


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