駐在員・赴任者とその帯同家族の安全： 深センと蘇州の日本人学校の事件から

深センの日本人学校で、登校中の児童が襲われる事件が発生しました。

6月の蘇州の事件に続いての事態となり、駐在員の帯同家族の安全について改めて考えるべき機会かもしれないと感じますので、少し思うところを書きます。

2012年、尖閣諸島国有化があった当時は、日本人の方々が街中で暴言や暴行を受ける事件が発生していました。そのときには、主に従業員の安全という観点から、企業としての対応をどうするべきかを考えていました。

そして、その一つの答えとして、いわゆる「現地化」が検討され、実際に推進されてきました。

そのことによって、新型コロナウイルスの流行などの往来が制限される局面でも、事業の継続・安定にとってプラスの効果をもたらされた部分もあったかと思います。

（参考： 当時のセミナー資料から）

これに対して、今回の蘇州と深センの事件は、大人ではなく、子ども・児童が狙われています。つまり、もし仮に企業の関係者が被害に遭われる場面を考えると、駐在員ご自身ではなく、そのご家族が被害に遭われるおそれがあるという点に今回の事態の特徴があります。

もし駐在員の方に帯同されているご家族が被害に遭われた場合、従業員ではないので労災保険の適用も無いものと思われますし、企業としての安全配慮義務等の法的義務の範疇外のことと思われます。

しかし、法律的にはそうだとしても、中国での事業活動にとっては無視できない事柄だとも感じますので、どの企業の方々も悩ましく感じておられるのではないでしょうか。

私自身の約8年間の現地赴任の経験からしても、赴任・駐在される方々にとって帯同されるご家族の存在は本当に心強いものだと思っています。反スパイ法の話題などもあって、従業員ご本人が中国現地に行くことのハードルそのものも高くなっている昨今ですから、そのような中で中国現地に赴かれる方々がご家族とともに安全に過ごせるために、なるべく手厚いサポートがなされることが望ましいのではないかと考えているところです。

中国でも日本でも、子ども・児童がターゲットにされるような犯罪はあってはならないものですが、現にそのような事件が発生しているのも事実ですから、その現実に向き合って何らかの対応を考えることは必要と思います。たとえ少しでも状況が改善されることを願ってやみません。

なお、事案に関する情報が限られていることで、不安が増している面もあるかもしれませんので、その点について念のため補足いたします。

在中国日本国大使館のWebサイトによれば、残念ながら被害者の児童は亡くなられたとのことです。
https://www.cn.emb-japan.go.jp/itpr_zh/chuikanki_00002.html

中国側でも、昨日の外交部の会見内容は、以下のとおり外交部のWebサイトにも掲載されています。（中国語の原文で失礼します。）

https://www.fmprc.gov.cn/fyrbt_673021/202409/t20240918_11492426.shtml

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共同社记者：据日本政府发布的消息，18日上午深圳日本人学校的一名学生遭遇一名男性袭击被刺伤住院。请问发言人能否介绍该事件的更多细节？另外这已经是今年第二次针对在华日本学生的袭击。中方如何看待这类事件？

林剑：据了解，9月18日上午，深圳日本人学校一名10岁学生在距离学校门口约200米的位置，被一男子刺伤。受伤学生第一时间被送医并在全力抢救中，凶手已经被当场抓获，案件还在进一步调查中，中方有关部门将依法处理。

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これらの公的な情報を超えるような内容が含まれている情報については、デマや憶測が入り込みやすいので、軽率に転送・引用などしないように気をつけていただく方がよいかと思います。

今のところ事案についての情報が限られていますから、軽率に何らかの判断がくだせる状況にはないと思われますが、この機会に、日本から中国現地に赴いて事業にかかわっておられる方々とそのご家族に改めて敬意を表するとともに、日本側からもぜひ何らかのサポートを検討いただけることを希望しています。
法律家の分をわきまえない、差し出がましいコメントになってしまっていることについては、どうぞご容赦ください。

【9月20日追記】

外交部Webサイトに、昨日の定例会見の内容が掲載されていたので、URLを追記しておきます。
https://www.fmprc.gov.cn/fyrbt_673021/202409/t20240919_11493206.shtml