注目の投稿

2月14日の中国会社法改正セミナー:セミナー資料の目次(予定)

中国の会社法改正について、2月14日にオンラインセミナーでお話させていただく予定になっていますので、そのセミナー資料の目次をご紹介します。 下記は現時点で手元に用意してある資料案によるものですが、当日は時間の関係で全部はお話できない可能性がありますので、その点はどうぞご容赦くださ...

2021年7月24日土曜日

7月第4週:①賃金の「月末締め翌月20日払い」、②浙江省公共データ分類分級基準、③知的財産権データの開放、④非銀行金融機関の行政許可事項

①賃金の「月末締め翌月20日払い」

毎週、裁判の事例などをご紹介していますが、今回は、深センのとある事例が新聞で紹介されていたので、その件をご紹介しています。
「月末締め、翌月20日払い」。日本ではよく見られる賃金支払方式であり、私の知る多くの日系企業でも同様の方式が採用されていますが、なんと、深センでは、これが法令違反であるとのこと。
さらに、それを理由にして退職した従業員から「経済補償金」(法定退職給付。自己都合退職の場合は不要)の支払を求められ、裁判所も支払義務を認めたという衝撃的な事例です。
本当は自己都合退職なのに、会社の法令違反を理由として指摘すれば、本来はもらえなかったはずの経済補償金がもらえるという、無から有が生まれる「錬金術」が成立してしまうことになってしまいますので、おかしな事例と思いますが、新聞で紹介されていましたので、真似をする人も出てきそうです。
深センでは、「月末締め」なら、最も遅くとも「翌月7日」には支払いが必要とのこと。営業日ではなく暦日でしょうか。だとすれば、「国慶節はどうするつもりですか!?」と言いたくなりますね。
とはいえ、労働法の世界では、ローカルな条例などが意外に重要です。ローカルルール、侮らずにしっかり所在地の法令を確認したいところです。

②浙江省公共データ分類分級基準

《データ安全法》(データセキュリティ法)の施行を9月1日に控えて、各地方では、それぞれ分級分類管理についてのルールなどを出しています。今週分では、浙江省の省レベルの地方基準を紹介しています。地方により異なるというのは企業向けの規制ではなくて、地方が持っている公共データの管理についての部分のようですね。
データの管理が地方によって変わるのは不思議に思っていましたが、各地方の持っているデータということなら、それぞれの地方によって重要性は変わるでしょうから、それであれば、なんとなく納得感があります。
しかし、企業側が具体的に何をどうすれば良いのかは、未だによく分かりません。
これまでであれば、中国では、「具体的なルールが出てから対応すれば良い」と考えていたのですが、先日の滴滴のように、随分前の、まだ明文規定もガイドラインも無いような時期の行動を対象に処罰されるとすると、そうノンビリもしていられません。
とりあえず、グループ内のデータ共有について、①日中間で往来しているデータは何があって、②その通信・同期は自動か手動か、という2点については整理しておくのが良いのではないかと思います。(データを分類して管理せよを言われている以上は、どのみち必要になる作業ですので。)
そのうえで、今回ご紹介している浙江省の公共データの例のように、③各データにラベルをつけて、④それぞれ異なる管理をする、という展開が予想されますが、③のラベルのつけかた、分類のしかたが分からないとどうしようもありませんので、まずは①②をしておいて、あとは、各データにラベルをつけるか格納場所を分けられるように準備しておく、という程度が今できることかな?と思っています。

③知的財産権データの開放

国家知的財産権局の知的財産権データの開放範囲拡大については、今話題の半導体関連で、回路配置利用権関係のデータが拡充されたようです。
それと同時に、日本や欧州、韓国などの特許についてのデータも追加されたとのこと。
特許については属地主義とはいいながら、今はどの分野でもビジネスも製品もグローバル化、グローバル展開ありきですから、国を跨いだデータは特に重要ですね。
日本からも中国の知的財産権局のサーバーへのアクセスがスムーズであるように、と願っています。

④非銀行金融機関の行政許可事項

非銀行金融機関について、行政許可事項に関する申請書類などの細則が出ています。
メーカー各社でも、リース会社をグループ内に持っておられる会社も多いと思います。
そのような金融関連業務をなさっている会社については、マネーロンダリングや反社会的組織とのつながり、背後の実際の株主まで遡った出資者の調査などが拡充されるようですので、合わせてご留意ください。


0 件のコメント:

コメントを投稿