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2月14日の中国会社法改正セミナー:セミナー資料の目次(予定)

中国の会社法改正について、2月14日にオンラインセミナーでお話させていただく予定になっていますので、そのセミナー資料の目次をご紹介します。 下記は現時点で手元に用意してある資料案によるものですが、当日は時間の関係で全部はお話できない可能性がありますので、その点はどうぞご容赦くださ...

2021年8月23日月曜日

8月第3週:①個人情報保護法が成立! ②基幹情報インフラ安全保護条例、③保険を解約して再契約させる違法行為、④「刷酸(ピーリング?)」美容施術は医療行為

①個人情報保護法が成立!

中国の《個人情報保護法》がついに成立しました。6月に成立した《データ安全法》と並行して審議されていたので、そろそろかと思っていましたが、8月18日に第三次審査稿が出たという発表があってから数日での正式公布という急展開となりました。
正式公布になった全文は、下記URLから見ることができます。
(今回配信の資料では、まだ、第三次審査稿が出たという発表までしか反映できておりません。ご容赦ください。)
施行は11月1日からとなっています。
詳細はまだ見ていませんが、個人との間で契約を結ぶために必要な情報や、会社が個人を雇用するために必要な情報の処理は、同意不要になったようで、少し安心しています(第13条第1項第2号)。もちろん、同意なしでできる範囲は限られるので、結局は同意を得なければならないということも考えられますが、これは今後の課題となります。
一方、個人情報の国境を跨いだ提供については、単独の同意が必要であること(第39条)など、概ね従来の意見募集稿と変わりないようですから、これらについては今後、各企業においても対応が必要になる部分と思われます。
ちょうどお盆休みのうちにセミナーの資料を作成しておりまして、残念ながらその資料の内容は修正しなければならなくなりましたが、10月のセミナーでしたので、開催直前の変更ではなくてよかったとホッと胸をなでおろしています。

なお、同じく8月20日付で、自動車データ安全管理に関する若干の規定(試行)も発布されています。こちらでも個人情報に関する規定がありますし、中国国外へのデータ提供についての安全評価制度が導入されているなど、実務に影響がありそうですが、こちらも今回の資料では間に合いませんでしたので、来週以降取り上げます。

②基幹情報インフラ安全保護条例

基幹情報インフラストラクチャ―安全保護条例も発布されています。
ネットワーク安全法(サイバーセキュリティ法)では、基幹情報インフラの安全を非常に重視しており、その運営者には通常のネットワークに比して段違いに重い各種の義務を課しています。
(些事ですが、ネットワーク安全法はまさにネットワークの安全に関するものであり、サイバー空間はネットワークの中にあるとか限らないのでは?と常々疑問に思っています。ですので、私は頑固にずっとネットワーク安全法と呼んでいます。)
滴滴の一件でも話題になった《ネットワーク安全審査弁法》もありますが、銀行ATM一つとっても問題が生じると多数の人たちに非常に不便を生じることを考えると、この方面での規制が厳重になるのは自然かとも思います。
《ネットワーク安全法》で定められていた「専門のネットワーク安全管理機構の設置」及び「ネットワーク安全管理責任者及び基幹職位の人員に対する安全背景審査の実施」について、より具体的な規定が出るかと少し期待していましたが、見たところその部分は特に従来と変わりないようです。
テロ対策との関係でも求められている「安全背景審査」、オリンピック関係者のお話もありましたが、今の時代、どこでも人選にあたって従来とは異なる配慮が必要になっているのだなと思います。

③保険を解約して再契約させる違法行為

今回のニュース記事の中では、社内不正関連の題材として、保険の勧誘について、元の保険を解約して改めて契約させるという違法行為が摘発されていた事件を取り上げました。
日本でもかんぽの事例がありましたが、全然異なる点として、日本のかんぽの問題は過剰なノルマをこなそうという「会社のため」の真面目さの表れでしたが、こちらの中国の事例は「新規顧客獲得」インセンティブをせしめるための「個人のため」の不正行為でした。日本のかんぽの事例は被害者は個人の消費者でしたが、中国のこの事例は被害者は保険会社である、という点も異なります。(保険会社の従業員になりすまして販売している点も異なります。この点は、オレオレ詐欺にも似ていますね。)
ただ、保険の業界に限らず、営業活動について様々なインセンティブを付与している例は多いと思いますので、その制度を悪用している人がいないか、内部統制にかかわる方々には視点として持っておいていただければと思います。
また、異なる背景、異なる動機であっても、現れてくる現象としては共通ということもありますので、やはり、何らかの現象に違和感を感じて察知する感性は日ごろから磨いておきたいなと思っています。

④「刷酸(ピーリング?)」美容施術は、医療行為

国家薬品監督管理局から発表された注意喚起情報によると、「刷酸」という美容用語が流行しているとのこと。
「刷酸」とは、美容施術の一種で、角質除去・保湿、新陳代謝促進、毛穴をきれいにする、といったように美容に良いとされているのですが、腫れ、シミ、痛みなどの副作用も出てくることがあり、傷跡が残ってしまうこともあるそうです。
ですので、「刷酸治療」は必ず医療資質のある病院や診療所で、研修を受けた専門スタッフの施術を受けるようにしてください、という注意喚起になっています。
化粧品の中でも「酸で皮膚を入れ換える」といったような宣伝をしているものがあるらしいですが、化粧品は医療作用があるものではないので、「刷酸治療」とは本質的に別のものだということも説明されています。ですから、化粧品についてこのような宣伝をしてはいけないと言われています。
いつもセミナー等で申し上げていることですが、日本での宣伝文句をそのまま中国語に訳していると、中国では違法となってしまう場面がありますので、どうぞご留意ください。

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