①個人情報の国外移転のための標準契約書式
《個人情報保護法》第38条第1項第3号に定める標準契約の書式について、現在まで発布されておらず実務上「ルールを守りたくても守れない」困難を生じていたのですが、標準契約の具体的なイメージが持てる文案が公表されたことで、ようやく問題が解消されそうです。
この標準書式を見ると、同法同条第3項からすると受領者側も中国のルールを知らなければならないので当たり前のことではありますが、中国国内の提供者側が、外国の受領者側の求めに応じて、中国国内の関連法令及び技術基準の副本を提供しなければならないということも書いてあります。(書式第2条(五)部分)
もちろん、外国の受領者側の義務(書式第3条部分)も詳細に規定されており、この書式自体が、《個人情報保護法》対応のために何をしなければならないのかについてのマニュアル、チェックリストとして使えそうな内容になっています。もちろん、この書式を使って実際に個人情報の国外への提供を行おうとすれば、当然、守らなければならない内容でもあります。
現在はまだ意見募集段階であり、正式発布ではありませんが、事前に見て準備しておいた方がよい事項もありそうな気もいたします。
②個人情報の国外移転のための認証実践指針
もう一つ《個人情報保護法》第38条第1項各号の関係では、国のネットワーク安全・情報化部門の規定に従い専門業務機構の実施する国外移転に関する個人情報保護認証について、指針が公表されました。こちらは意見募集ではなく正式に公表されたものです。
《情報安全技術 個人情報安全規範》(GB/T 35273)に基づき認証機関が個人情報のクロスボーダー処理活動につき個人情報保護認証を行う際の実践指針ですので、これでようやく、認証機関に委託してこの認証を得る道も実際に開かれてくることになりそうに思います。
上記の①と合わせて、今までは「まだルールが決まっていないから」と言えたところ、ルールが整備されてきています。中国の《個人情報保護法》による国外移転についての規制の本格化に向けての地ならしが進んでいるのかもしれません。
③《反独占法》改正に関する意見募集6件
改正《反独占法》が8月1日から施行されますが、それに向けて、6つの関連する細則規定の改正についての意見募集が行われています。
《反独占法》の改正内容自体は直接に実務に影響するのか分かりづらい部分があるのですが、こちらの細則規定については、直接、実務を左右する部分が含まれています。
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