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2021年7月29日木曜日

7月第5週:①女性従業員の定年退職年齢、②Eコマースの不正レビュー、③決済分野での規制強化、④自家用車「三包」規定改正、⑤各地の外資向け補助金

①女性従業員の定年退職年齢

従業員の「定年」について、今週は、女性従業員の定年年齢を間違ってしまい、本来の定年退職ならば生じずに済んだはずの経済補償金を支払うことになってしまった事例を紹介しました。中国では女性の定年退職年齢が50歳の場合と55歳の場合があるので、こういう間違いも起こりやすいです。
多くの日系企業が中国に進出した時期、工場は若い人ばかりでしたから、「定年」が人事労務のテーマになることはありませんでした。つまり、経験が決定的に欠けているわけです。そこに今、従業員が高齢化して徐々に定年する例が出始め、社歴が長い=日本式年功序列システムで賃金がそれなりに高い人たちが定年退職し始めています。一つ処理を間違うと、本来なら必要なかった経済補償金が発生して、人事担当者の賃金の何倍もの余計な費用が発生してしまうということになります。
大きな政策の方向としては定年延長も視野に入れるとして、足元の定年退職時の処理、しっかり見直してみることをお勧めします。

②Eコマースの不正レビュー

Eコマースの分野では、相変わらず、あの手この手の「サクラ」でレビュー・評価を高める手法が開発されているようで、正確でない評価を創り出している虚偽宣伝だということで《反不正競争法》違反で処罰されています。
日本でも少し前にAmazonで不正なレビュー・評価についての対策を強化しているという話題が出ていました。日本でも何らかの形で処罰するようになるのだろうか?という疑問も湧きますが、少なくとも、中国で横行している手法を学んでおくことは騙されないために大切なのかなと思います。

③決済分野での規制強化

今年に入ってから日本でも大きく報道された各事例に象徴されるように、ITやフィンテックなどの先進分野では、上場に関する規制が強まっているようです。
今週は《非銀行支払機構重大事項報告管理弁法》という規定が出ており、ここでは、その会社の上場はもとより、さらに、主要出資者・実質支配者の上場(いわゆるVIEスキームによる海外上場を含む)についても、事前報告を要する重大事項とされています。上場以外にも、担保設定などを通じた形を変えた支配権移転、さらにはシステムの重要なバージョン変更、会計事務所の変更といった事項まで含まれています。
この他、突発的な事態(個人情報の流出、決済業務の中断など)についてもレベルにより直ちに報告が必要となっています。
2010年に《非金融機構支払サービス管理弁法》が発布され、オンライン決済の免許取得のためにAlipay(支付宝)の株主を内資企業に変えるなどのドタバタがありましたが、あれから10年、スマホ全盛の時代となり、オンライン決済はもちろん、それに結び付いたフィンテックの分野についても、規制の動向を注視ということになりそうです。

④自家用車「三包」規定改正

自家用自動車のいわゆる「三包」(修理・交換・返品)についての規定が改正されました。動力電池、駆動モータなど、新エネルギー自動車の故障についての規定が追加されたようです。
三包証明書に動力蓄電池容量の減衰下限値を記載しなければならない、ということも書かれています。
2年又は5万キロ、3年又は6万キロという三包期間の下限については、2012年の規定(現行のもの)から変更は無いようです。ユーザーの購入(発票)又は引渡のときから起算されます。自動車部品のメーカー目線では、こちらの期間は重要ですね。
なお、改正規定の施行は来年1月1日とのことです。

⑤各地の外資向け補助金

広州市は、外資導入のために大盤振る舞いの政策を出しています。
一定規模以上の外資系の新規又は増資プロジェクトについての補助金の申請基準が示され、基準を満たしていれば外資金額の2%の奨励、最高で1億元の奨励を出すとのこと。
また、外資多国籍企業の地域本部についても省レベルの財政への貢献に応じて、最高で1億元の奨励があるようです。
広州市がこういう政策を出しているということは、他の都市でも同様の補助金があるかもしれませんから、条件を満たしているのにうっかり申請を忘れる、そんなもったいないことが起こらないようにしたいですね。
(といっても、申請できることに気づかない=申請漏れにも気づかない場合、もったいないと思うことすら無いわけですが...)

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