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2022年2月2日水曜日

1月第4週:①「お歳暮」の会社への報告・届出制度、②歴史関連の地名と悪意の商標出願、③金融機関による顧客へのデューディリジェンス調査

①「お歳暮」の会社への報告・届出制度

某大手電気自動車メーカーでの社内不正取締活動が大きく報じられています。取引先側に対しても、「廉潔協議書」などに基づいて違約金などの制裁を課す制度が運用されているとのことです。
取引先との取引開始にあたり、守秘契約や取引基本契約と同時に、「廉潔協議書」などのタイトルで贈答や接待を禁じる旨の合意書に署名・提出を求められることも増えてきました。私たちのような外部専門家であっても提出を求められていますので、どのような取引であってもこの種の合意書を提出する慣行が少しづつ普及・定着しているように思われます。
春節前は、ちょうど日本でいう「お歳暮」の季節ですし、同郷の仲間と集って商売の話をする時期でもありますから、こういった節目の時期には思い出してみていただければと思います。

②歴史関連の地名と悪意の商標出願

「長津湖」という朝鮮戦争の激戦地を題名にした映画があるそうです。その映画が公開されるのに合わせて同名の商標を出願した会社があり、悪意での商標出願だと言うことで罰金及び違法所得没収の処罰を受けたという記事がありました。
出願されていないのに違法所得?と思われるかもしれませんが、この件で処罰を受けたのは出願人となった会社だけでなく、その出願を代理した代理会社も処罰を受けているので、この代理会社が受け取った出願業務の委託料であろうと思われます。
悪意の出願であると認定された理由の部分が、「明らかに正常な経営活動の必要を超えているから」と書かれているだけですので詳細は不明ですが、今後は商標の出願を委託するときには代理会社から「正常な経営に使うのですか?」と聞かれるかもしれません。

③金融機関による顧客へのデューディリジェンス調査

国際的なマネーロンダリング(洗銭)やテロ組織の資金源への取締の一環として、中国でも金融業界で顧客に対するデューディリジェンス調査の具体的要求事項の更新があります。金融リース会社や自動車ローン、消費者金融の会社も対象となっています。
疑わしい取引については顧客の身分につき独立のデータ・資料から顧客の身分を確認すべきこととなっていますが、リスクの状況に応じてデューディリジェンス調査の措置を講じなければならず、30日の双方の支払・受取累計が5万元又は1万米ドルなど、調査を行うべき一定のトリガーが定められているとともに、背後の実質的所有者についても調査することなどが規定されています。
また、第三者に委託して調査を行う場合につき、海外の第三者に委託する場合には、高リスク国家又は地域の第三者を通じて調査を行ってはならないことなども言及されています。
日常の取引にまで影響する場面は少ないかもしれませんが、金融機関からの株主の状況等に関する照会に対する対応などについては時折話題に上ることもありますので、ご参考までに。



なお、来週は春節休暇のため休載いたします。


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