中国では、会社設立と銀行口座開設は一連の手続です。
また、事業における資金決済も、会社の口座を通さなければ営業許可を得た会社の事業と認められず、個人の口座を使うと無許可の個人営業をしているか会社のおカネを横領しているように見えてしまいますから、会社名義の口座が無いということは通常あり得ません。
ですから、中国の方々は、「日本で会社を設立する」→「会社名義の口座ができて当たり前」と思っておられる場合があります。
ところが、日本では、会社を設立しても銀行口座を開設できるとは限りません。
むしろ近時では、個人事業のときから一定の取引実績を作っておかないと、法人成りしようとしても会社名義の銀行口座を開設してもらえないことがあります。
この規制をクリアするために架空の取引実績を作ることを請け負うような業者もいる、という話も耳にするほどです。
例えば、中国の企業や個人が日本のとある会社の事業を引き継ごうとする場面で、
「事業譲渡がよいですか? 株式譲渡がよいですか?」
というご質問を受けることはよくあります。
そういった場面では、この銀行口座をめぐる両国の事情の違いも少し考えてみていただければと思います。
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