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中国で提出する書類の記入・署名: なぜ「ボールペン不可」「万年筆で記入」なのか?

中国に関係するビザ申請の関係書類や、中国で会社登記機関(市場監督管理局)や裁判所(人民法院)などの公的機関に提出する書類を記入したり署名したりするときに、「ボールペンで記入しないでください」「万年筆で記入してください」と言われたことはないでしょうか。

2024年6月25日火曜日

6月第3週:①オーストラリア等3ヶ国向けビザ免除措置、②「●●」頑固分子、③「科創板」改革

①オーストラリア等3ヶ国向けビザ免除措置

ニュージーランド、オーストラリア、ポーランドの3ヶ国向けに、商用・観光・親族訪問のため15日以内のノービザ入国を7月1日~来年末まで試験的に認めるとのことです。
3月にもスイスなど6ヶ国向けに11月末までのノービザ入国の試行の発表がありましたので、引き続き期待しています。

②「●●」頑固分子

最高人民法院、最高人民検察院、公安部、国家安全部、司法部から、国家分裂活動の犯罪事実認定と処罰、その手続についての意見が出ています。
 (●●の部分が、敏感なキーワードと認識されてしまうようですので、伏せてあります。
  「分子」は日本語でも「危険分子」とか「不穏分子」とか言うように何らかの集団やその人員を指します。)
http://www.gwytb.gov.cn/m/headline/202406/t20240621_12629575.htm

日本の報道では、死刑もあるという点を挙げているものがありましたが、その点はもともと《刑法》で規定されていることで、新たにという話ではありません。
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《刑法》
第103条 国の分裂又は国の統一の破壊を組織し、計画し、又は実施した場合には、首魁又は犯罪行為が重大である者は、無期懲役又は10年以上の有期懲役に処する。積極的に参加した者は、3年以上10年以下の有期懲役に処する。その他の参加者は、3年以下の有期懲役、拘役、管制又は政治的権利の剥奪に処する。
  国の分裂又は国の統一の破壊を扇動した者は、5年以下の有期懲役、拘役、管制又は政治的権利の剥奪に処する。首魁又は犯罪行為が重大である者は、5年以上の有期懲役に処する。
第113条1.  この章の上記国家安全危害罪については、第103条第2項、第105条、第107条及び第109条を除き、国及び人民に対する危害が特別に重大であり、又は情状が特別に悪辣である場合には、死刑に処することができる。
(第2項省略)
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今回のこの意見はむしろ、どのような行為が犯罪として処罰されるのかを明確にしている点が参考になると思います。
 (私たち普通の一般市民にはあまり適用されることはなさそうに思えます。)
国家を分裂させるような活動を計画したり指揮したりすることは国家分裂罪となることは当然ながら、そのほかには、市民投票などの方式で法的地位を変更しようとすることや、教育・文化・歴史、新聞メディア等の分野で事実を歪曲したり、両岸関係の平和的発展や国家統一を支援する政党・団体・人員を抑圧したりすることも犯罪とされています。
ただ、自発的に危害を軽減・除去又は拡大防止すると不起訴になることもあるようです。
政治的なテーマですし、会社の業務にはあまり関係がないので、あまり正確に紹介されていないようなところも感じますが、フラットに読んでみると参考になるところもあるように思いました。

③「科創板」改革

「科創板」改革に関する八条措置が証監会から発布されています。
「科創板」とは、上海証券取引所に開設された、学技術と新(イノベーション)分野の新興企業がその株式を上場していくような新しい証券市場です。
今回の8つの措置では、上場審査で上場にふさわしい企業を正確に識別することや、新株発行の価格決定の改善、株式・債権融資制度の改善、M&Aや再編の支援、ストックインセンティブ制度の完全化、取引メカニズムの改善と取引監督の強化、粉飾決算等の不正行為の取締強化、司法保障制度の改善の推進などが挙げられています。
「科創板」上場は製造業の企業にとっては一つの分かりやすい目標であり、日系企業の合弁会社でも既に「科創板」で上場している会社もありますが、絶えず制度が整備されてきているところですので、変わっていく部分もあるかとは思います。



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