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中国で提出する書類の記入・署名: なぜ「ボールペン不可」「万年筆で記入」なのか?

中国に関係するビザ申請の関係書類や、中国で会社登記機関(市場監督管理局)や裁判所(人民法院)などの公的機関に提出する書類を記入したり署名したりするときに、「ボールペンで記入しないでください」「万年筆で記入してください」と言われたことはないでしょうか。

2024年6月17日月曜日

6月第2週: ①越境EC輸出と「海外仓」、②公平競争審査条例、③ネット暴力情報

①越境EC輸出と「海外仓

商務部など9部門から、越境ECによる輸出開拓と「海外仓」(海外物流基地)の建設推進に関する意見が出ています。
http://www.mofcom.gov.cn/article/zwgk/gkzcfb/202406/20240603515722.shtml
越境ECというと、以前は各国から中国への輸入(代購など)に関する政策が相次いで発布されて注目された時期がありましたが、近年は中国から各国への輸出(日本から見ると輸入)面での政策を目にすることが多いように思います。
シルクロードなど海外でのスマート物流プラットフォームの構築など、中国からの越境EC輸出にかかわるインフラ面での整備のため進出する企業に対する金融支援などの政策措置を講じていくことが示されています。これらは海外で建設されるものですので、もしかすると日本国内でも関係することがあるかもしれません。

②公平競争審査条例

国務院から、公平競争審査条例という新しい行政法規が公布されました。
公平競争審査については以前にも少しご紹介したことがありますが、《ビジネス環境最適化条例》(第63条)でも2022年改正《反独占法》(第5条)でも規定されているとおり、事業活動に関する法令等を制定するときに行われる審査です。
民営企業に対する差別的取扱いによる地方保護、区域封鎖、業界参入障壁など、行政権力の濫用による競争排除・制限の問題が目立つということで、国務院が県レベル以上の各地の人民政府での公平競争審査の状況を監督することなどが規定されています。
これまで政策意見や各部門の規則などは出ていましたが、今回は国務院の行政法規という一段高いレベルで相応に具体的な内容が規定された条例が出たので、地方の垣根が下がってくることも期待できるかと思います。

③ネット暴力情報

インターネット情報弁公室など4部門から、ネット暴力情報(网络暴力信息)の取締に関する新しい規定が発布されました。
ここでいう「ネット暴力情報」とは、テキストや画像・音声・動画などの形式で個人に対して集中的に発信される、誹謗中傷や威嚇・脅迫、プライバシーの侵害、さらには心身の健康に悪影響を与えるような名指しでの非難・嘲笑・侮蔑などの違法・不良な情報をいいます。
ユーザーアカウントの信用管理体系を構築して、不良なユーザーについてはブラックリストに載せたりアカウントの機能の制限・停止などの措置を取ることなどが規定されています。
主にはプラットフォームを運営事業者における措置についてのもののようです。

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