日本では、取締役会に取締役が出席できないとき、他の者に代理で出席してもらうことはできません。一般的にそのように理解されています。
一方で、中国の董事会については、従来の中外合弁企業の場合には、明文で、代理出席が認められていました。つまり、《外商投資法》施行後5年の過渡期における《会社法》対応が未了で、いまだに株主会がなく董事会だけがある会社の場合にあっては、代理出席が法律上明文で可能です。
これは、従来の中外合弁企業は所有と経営の分離が未分化の状態にあって、株主に対する董事の義務履行という意識が希薄だったことが背景と思われます。
これは、従来の中外合弁企業は所有と経営の分離が未分化の状態にあって、株主に対する董事の義務履行という意識が希薄だったことが背景と思われます。
これに対して、《会社法》の適用される会社では、困ったことに、董事会での代理出席を認める明文規定がありません。
つまり、《外商投資法》に対応する定款変更済みで、株主総会が設置された中外合弁会社の場合には、董事会における代理出席ができるかどうか明文規定がなくなってしまうという困った事態になっています。
つまり、《外商投資法》に対応する定款変更済みで、株主総会が設置された中外合弁会社の場合には、董事会における代理出席ができるかどうか明文規定がなくなってしまうという困った事態になっています。
ただ、株式有限公司の場合の条文としては、原則として董事本人の出席が必要としつつも、「事情により出席することができない場合には、書面により【他の董事に】委託して代理出席させることができる」とする規定があります。
このことから、株式有限公司ではない一般の有限公司の場合であっても、董事会の議事規則(現行《会社法》第48条第1項)として【定款により】代理出席を認めることは問題なく、一般の中外合弁会社については従来から上記のように代理出席が認められていた背景もありますので、定款自治の範囲において、【定款に定めがあれば】代理出席を可とするものと理解されているようです。
このことから、株式有限公司ではない一般の有限公司の場合であっても、董事会の議事規則(現行《会社法》第48条第1項)として【定款により】代理出席を認めることは問題なく、一般の中外合弁会社については従来から上記のように代理出席が認められていた背景もありますので、定款自治の範囲において、【定款に定めがあれば】代理出席を可とするものと理解されているようです。
ということで、この部分では、定款に定めがあるかどうかが実務上、意外に重要になります。
中外合弁会社の過去の定款を踏襲すれば、通常、代理出席の条文も入っているはずなのですが、部分的に《会社法》に基づく定款の書式を参照するなど、うっかり定款に記載するのを忘れてしまうと困ったことになります。
改正《会社法》においては、新たに、董事会会議の開催には董事の過半数の出席を要する旨の規定が追加されましたので(改正《会社法》第73条第2項)、代理出席ができないと会議が開催できないという不都合も起きかねません。
定款変更を検討される際には、ぜひご留意ください。
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