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2025年6月30日月曜日

6月第4週: ①《反不正競争法》改正、②《治安管理処罰法》改正、③会社法、外商投資法施行後の財務処理問題に関する通知

①《反不正競争法》改正

全人代常務委員会にて、《反不正競争法》が6月27日に改正・公布されました。2019年以来の改正です。
ざっと以下のような改正項目になっています。
 第3条(新規):共産党の指導、国による法執行、公平競争審査制度。
 第7条(旧第6条):他社の商標を企業名称の中で使用する行為などが混同惹起行為に当たる旨の規定を追加。
 第9条(旧第8条):虚偽宣伝の相手として消費者のほかに他の事業者を追加。
 第11条(旧第10条):景品付販売につき景品の種類や金額等の条件を正当な理由なく変更することを禁止行為として明記。
 第13条(旧第12条):ネットを利用した事業活動につき、技術的管理手段の回避や、プラットフォーム規則の濫用などの禁止行為を追加。
 第14条(新規):プラットフォーム上での安売りの強制を禁止。
 第15条(新規):大型企業が中小企業に対して明らかに不合理な取引条件を要求することの禁止。
 第21条(新規):プラットフォーム内での公平競争規則。
 第23条(旧第18条):ニセモノ商品を知らずに購入したことを証明した場合の条文を追加。
 第24条(旧第19条):いわゆる商業賄賂につき、罰金額を増額。法定代表者や責任者個人の処罰を追加。
 第30条、第31条(新規):上記第14条、第15条の追加に対応した罰則規定の追加。
 第40条(新規):いわゆる域外適用の規定を追加。
なるべく条文番号が変わらないように、枝番の方式を導入していただけるとよいのですが...。

②《治安管理処罰法》改正

同じく全人代常務委員会から、同じ6月27日に、《治安管理処罰法》の改正も公布されました。
すみません、改正前の条文の番号の記載は省略して、新しい条文番号だけメモしておきます。
 第5条:外国の船舶・航空機の中での治安管理違反行為への適用についての条文を追加。
 第6条:教育により自主的な遵法を促すべき旨の規定を追加。
 第8条:刑事処罰すべきものについては、治安管理処罰で代替してはならない。
 第9条:民間の紛争による喧嘩や器物損壊についての、調停による処理。
 第13条:事理弁識・行動制御能力の不完全な障害者による違反も処罰するが、軽きにしたがって処罰する。
 第19条:違法行為を制止する行為により損害を生じた場合の処理。
 第20条:被害者の宥恕がある場合の処罰の軽減又は不処罰。
 第21条:自主的に違反を申告した場合の処理。
 第23条:情状が劣悪な未成年に対する処罰。
 第24条:未成年者に対する矯正教育等の措置。
 第27条:国家の試験における組織的なカンニングに対する処罰。
 第28条:スポーツの試合や芸術イベントでの処罰についての規定を拡充。
 第32条:無線通信に干渉した場合の処罰事由の追加。
 第33条:IT関連の違法行為の処罰事由の追加。
 第34条:連鎖販売活動(いわゆるマルチ商法)についての条文。
 第35条:国家の記念日などの行事における妨害等。
......
と途中まで見てきましたが、もともとかなり条文数の多い法律でもあり、また改正点もさらに多数あることが分かりましたので、申し訳ありません、ここでギブアップとさせていただきます。
以降の条文の改正については、おって別の機会にご紹介することとさせてください。

③会社法、外商投資法施行後の財務処理問題に関する通知

財政部から6月9日付で、会社法、外商投資法施行後の財務処理問題に関する通知が出ていました。
大きくは以下3つの内容になっています。比較的実務に影響する内容と思われます。
一、積立金による損失補填
二、非貨幣性資産による出資(現物出資)
三、準備基金、企業発展基金、従業員奨励・福利基金の残高の処理
最後の項目については、準備基金と企業発展基金の残高は、それぞれ法定積立金と任意積立金として管理・使用されることとなっています。
また、清算のときに特に扱いに困る従業員奨励・福利基金については、負債として管理するほか、《财政部关于外商投资企业清算期财政财务管理有关规定的通知》(财工字〔1995〕222号)という昔の通達に基づき処理すること、2025年1月1日以降は積み立てないことなどが規定されています。
個人的には、改正によって比較的大きな混乱が生じているように思われる「減資」についても取り上げていただきたかったですが、単なる財務諸表上の処理とは異なる利害が関係してくるものですので、今回の財政部の通達の守備範囲ではなかったのかもしれません。
今後さらに別の通達等で補充されることを待ちたいと思います。

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