企業活動について何か新しいルールを定めているわけではないように思えますが、日々の取引にも関係する内容が多く、使いどころがありそうな内容です。
詳細はまた何かの機会にご紹介できればと思うのですが、ここでは、いくつか個人的に興味をもった箇所だけ少しご紹介しておきます。
ガバナンスの健全化推進(第9条):株主間紛争など企業の内部紛争による生産経営の停滞を防止する。“掏空”=関連取引を通じた利益移転などの企業の私物化に対する責任追及を強化し、中小企業の株主の権益を保護するとされています。
財産権保護の強化(第14条):「経済紛争を経済犯罪として処理するのを固く防止する」とあります。ちなみに、中国では、「契約詐欺罪」(《刑法》第224条)という犯罪があり、日本よりも契約トラブルが刑事事件に持ち込まれやすい印象があります。
“有案必立、有诉必理”(第19条): 案件があれば必ず立件し、訴えがあれば必ず受理する。ひな型書式を使った手続効率化や、訴訟手続前の調停を活用して迅速な解決を図ることとされています。
②ネット・アプリ上での出店料金
国家市場監督管理総局から、ネットワーク取引プラットフォームの料金についてのコンプライアンス指南が出ています。
料金項目などのサービス規約の内容を変更する場合には過去3年間分の履歴を閲覧・ダウンロード可能な状態にしなければならないこと、初期に無料サービスを提供していた場合に有料化するときには意見募集のうえ目立つ方法で事業者に注意喚起しなければならないことなどが定められています。
中国でもネット上の店舗を出店している企業は多いと思いますので、出店費用の負担が分かりやすくなることは良いことと思います。
③形式主義の是正
中共中央弁公庁と国務院弁公庁から、形式主義を是正して基層の負担軽減を図る旨の規定が出ています。
文書については、一般に4000文字を超えないこと、上級文書の「照搬照抄」(そのまま書き写すこと)の禁止などが定められています。会議についても、「开短会、讲短话」(会議を短くする。話を短くする。)、同時に発言しない、主要責任者の講話または会議主報告は1時間を超えない、といった効率化が求められています。
行政サービスに関しては、アプリの使用強制、ダウンロードや定期的なログインの強制などが禁じられるなど、さまざまな方面での規定があります。
④次週休載
お盆休みですので、次回は休載いたします。
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