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2023年12月15日金曜日

債権者による破産申立てのハードル



中国企業相手のビジネスに関する業務に携わっておりますと、売掛金のある取引先が事実上倒産状態にあるのに一向に破産などの法的手続に入ってくれない、差押など法的措置によって債権回収をしようにも既に多数の差押があって回収の見込みがない、という場面がよくあります。
こういう場面で、日本でもバブル崩壊後によく見られたのですが、財産散逸防止や損金処理などのために債権者破産の申立てによって解決を図ることがあります。

日本の場合、破産申立ての際には、その後の管財人による活動など破産費用に充てるために、申立人があらかじめ予納金を納付する必要があります(日本「破産法」第22条第1項)。この予納金、会社の規模などによりますが、裁判所に納付する予納金が100万円以上必要になる場合も多く、債権者とすれば自身の貸付金や売掛金が回収できていないのに、さらに破産会社のために比較的大きなおカネを立て替える形になりますので、これはなかなかハードルが高いです。

一方、中国の場合、債権者側が破産の申立てをするときは、費用をあらかじめ納付する必要がありません。(中国《訴訟費用納付弁法》第20条第2項但書、《「企業破産法」の適用に係る若干の問題に関する最高人民法院の規定(1)》第8条参照。)
実際には管財人の活動や資産評価のための会計事務所・評価事務所への委託など、さまざまな費用が発生してくるのですが、これらは破産会社の財産(破産財団)から拠出されることになっています。
ですので、中国では日本に比べて、債権者破産の申立てのためのハードルは低いと申し上げてよさそうに思います。

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