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2024年3月29日金曜日

個人への貸付金と、使途不明金(役員への貸付か、担当者への貸付か)

中国の会社の帳簿を見ていると、見知らぬ個人に対して多額の貸付金(※)が計上されていることがあります。
(※)中国の一般の会社は金融活動ができないので、「貸付金」ではなく、「その他未収金」の項目に計上されていることが多いです。
日本の場合、とりわけ中小企業では、代表者など役員に対して多額の貸付金が計上されているのを見かけることがあります。これは、代表者のプライベートな支出を会社のお金から出したような場合や、会社業務ではあるが経費で落ちないお金を出した場合などに生じる現象です。
もちろん中国でも同じような状況はあるのですが、代表者でも役員でもない、単なる一従業員(会計・経理の担当者など)に対して多額の貸付金が計上されている場合があります。

ご存じのとおり、中国国内では各種経費支出について企業所得税の申告上の損金として算入するには「発票」(税務局所定の領収書、インボイス)が必要ですし、用途が会社の事業活動の一環として対外的に説明できることも必要です。しかし、ときには発票が取得できず経費として算入できない支出や、そもそも対外的に説明することが難しい支出(グレーな接待交際費など)が生じることもあります。そのような場合に、現金が支出されたことを埋め合わせるために使われる科目の一つとして、「その他未収金」として誰かに貸した又は立て替えた扱いにして会計処理をします。
もちろん、このような支出は会計・経理の一担当者が決めたものではなく、会社の経営者(老板)が決めているわけですので、そのような一担当者が自分が借りたことにする理由など全くないのですが、担当者としては経営者から「このおカネ、会社で処理しといてね」と言われて、処理しようがなく困ってしまい、他の人に迷惑をかけられないので自分で借りたことにして計上してしまう。そのような景色が目に浮かびます。

心の中では、「誰か見つけて欲しい」と思っておられるのかもしれません。

日中合弁の中国現地法人がある場合には、財務諸表を見るときに一つ、興味を持って見比べてみていただければと思います。


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