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中国で提出する書類の記入・署名: なぜ「ボールペン不可」「万年筆で記入」なのか?

中国に関係するビザ申請の関係書類や、中国で会社登記機関(市場監督管理局)や裁判所(人民法院)などの公的機関に提出する書類を記入したり署名したりするときに、「ボールペンで記入しないでください」「万年筆で記入してください」と言われたことはないでしょうか。

2024年6月10日月曜日

6月第1週:①不動産権利証書の様式変更、②知的財産の担保設定のペーパーレス化、③中央企業の社会的責任

①不動産権利証書の様式変更

不動産権利証書と登記証明書の様式に関する弁法が改正されました。
国土資源部のWebサイトには日本からはつながりませんでしたので、土地登記代理人協会という団体のWebサイトのURLをご紹介しておきます。
以前から同様ですが、不動産権利証及び登記証明書の印刷・発行は省の事務とされており、市や県に対して権限を委譲することができないこと、また、発行される証書については一意の(重複のない)印刷連番を付すことなどが規定されています。
また、2016年版の弁法では全国でのネットワーク照会を段階的に実現していくとされていましたが、今回の弁法では不動産登記電子証書の発行に関するネットワーク・情報安全についての条文が新たに追加されています。

②知的財産の担保設定のペーパーレス化

少し前、5月のことですが、銀行業金融機関における知的財産の質入登記手続を全過程でペーパーレス化することに関する通知が出ていました。
https://www.cnipa.gov.cn/art/2024/5/22/art_75_192611.html
紙の原本との一致性については銀行等の金融機関で審査することにして、知的財産権局への紙の原本提出は不要とするとのこと。銀行内部での知的財産権担保貸付の手続を改善して、高効率・迅速な金融サービスを企業に提供することを目的としています。

③中央企業の社会的責任

国有資産監督管理委員会から、中央企業の社会的責任についての指導意見が出ています。
http://www.sasac.gov.cn/n2588035/c30936408/content.html
中央企業とは、(地方政府ではなく)中央政府(国務院)及びその委託を受けた中央の国有資産監督管理委員会が出資している国有企業を指します。国有企業のうち、地方政府が出資している企業と区別する呼び方です。
今回の指導意見では、その基礎として、まず第一に独占行為や商業賄賂などの重点領域をはじめとしたコンプライアンス管理の強化により社会全体の中央企業に対する良好なイメージを樹立するとしています。第二は良質な供給、続いて第三には「人民至上、生命至上」ということで安全生産・事故防止が挙げられ、第四に友好的な労働関係が挙げられています。
従来の2008年の指導意見と見比べてみると、収益力向上や公益事業への参加などは優先順位が落ちた一方、農村振興やESG(環境、社会、ガバナンス)などに新たな注力分野が移っているようで、タイトルにも「高標準の」と追加されたように、一段レベルの上がった内容になっているようです。



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