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公益通報者の匿名性: 「通報者探し」(通報者の探索)をしてはいけないことの根拠条文(日本)

最近何かと話題の公益通報について。 業務上、社内の不正などに関する内部告発について取り扱う機会が多いので(特に中国は匿名での内部通報は多いです。)、少し書き留めておきます。 匿名での通報があったときに、なぜ「通報者探し」(※)をしてはいけないのか?という点について、法令上の根拠条...

2023年11月20日月曜日

11月第3週: ①危険廃棄物管理の変更、②中小企業向け公共サービス、③会計事務所の監査報酬

①危険廃棄物管理の変更

危険廃棄物管理についての新しい通知が生態環境部弁公庁から発布され、2024年1月1日からの変更点もいくつか言及されています。

2023年11月17日金曜日

連載第4回まで来ました。

東海日中貿易センター様の会報誌で隔月で掲載いただいている連載「中国現法“攻め”と“守り”の組織作り」ですが、第4回まで来ました。

2023年11月13日月曜日

11月第2週: ①外資に対する差別待遇、②入札分野での地方保護・市場分割、③政府と社会資本の合作(PPP)

①外資に対する差別待遇

商務部から、各地方・各部門が発布している政策措置や、事業単位や社会団体が制定している各種措置について、外資企業に対する差別待遇がないか特別整理活動が行われることが公表されています。
例えば、以下のような状況があるとのこと。

2023年11月8日水曜日

一般保証(単純保証)と連帯保証


中国では、以前は特に明示がなければ連帯保証と見なされることになっていましたが、2021年の《民法典》の施行後は、連帯保証ではない一般保証と見なされることになりました(《民法典》第686条第2項)。

2023年11月7日火曜日

11月第1週:①一部の罰金の取消及び調整、②特許法実施細則の改正意見募集、③出入国時の健康申告カード

①一部の罰金の取消及び調整

国務院から、各種法令に定められている行政処罰としての罰金の一部について、取消及び調整の決定が発布されています。

2023年10月31日火曜日

10月第4週:①愛国主義教育法、②未成年者ネットワーク保護条例、③消費者クレーム情報の公開

①愛国主義教育法

日本でもニュースで報道されていますが、「愛国主義教育法」という法律が制定されました。
対象としては全国民ですが、そのうち特に学校や家庭における青少年・児童の教育は特に重視されているようです。また、国家機関の公職者や、企業の従業員、香港・マカオ・台湾の同胞、海外の華僑など、それぞれに対して教育活動を行うべきことが規定されています。
日本企業にとっては、抗日戦争勝利記念日や南京大虐殺公祭日などについても規定されているところが注意点となると思います。
(その他、日系企業の方々に気をつけていただきたい日付については、こちらもご覧ください。東海日中貿易センター様の会報誌5月号にもご掲載いただいています。)
山河の観光などにより悠久の歴史や文化に触れることなどにも触れられており、なかなか興味深い内容になっています。

②未成年者ネットワーク保護条例

ネット上における未成年者の保護に関する基本的な法令となるべく、《未成年者ネットワーク保護条例》が制定されました。
https://www.gov.cn/zhengce/content/202310/content_6911288.htm
内容については、色情的、暴力的なものや、賭博、さらには自傷自殺へ誘引するような情報は禁止されています。具体的な種類や範囲、判断基準、注意喚起表示の方法などは、各関係政府部門により確定されるとのこと。
ネットにはまってしまって正常な学習生活が送れなくなってしまうことの予防や対策についても規定されています。

③消費者クレーム情報の公開

市場監督管理局が受け付けたクレーム情報の公示について、新しい規則が発布されています。
12315プラットフォーム上で原則公開されることになっています。
虚偽や悪意のクレームについては公開されないことになっていますので、初動対応で如何に事実の根拠の有無を確認するかが重要になってきそうです。


2023年10月27日金曜日

賃貸借契約の期間



賃借物件を工場・倉庫として使っているとき、契約期間を30年と定めて借りていたのに、ある日、「法律上は20年が上限です」と言われて立ち退きを求められ、賃料の値上げなどを要求されるケースがあります。

賃貸借の期間については、日本でも中国でも法律上の制限があります。

2023年10月23日月曜日

10月第3週:①非銀行金融機構の行政許可事項、②特許の実用化推進、③汚染物排出の自動モニタリングデータ

①非銀行金融機構の行政許可事項

銀行以外の金融機関(リース会社など)に関する行政許可事項の実施弁法が改正されました。
海外の非金融機構が金融資産管理会社の出資者となることを認めるなど、参入条件が若干緩和された部分があるようです。また、出資者の資質審査についての規定を拡充したとのこと。
純資産など財務状況に関する条件も具体的な数字で示されているので、実務上は関係する事業をされている場合は参照する機会がある規定かと思います。

②特許の実用化推進

特許の実用化推進のための特別行動方案(2023~2025年)が国務院弁公庁から発布されています。
https://www.gov.cn/zhengce/content/202310/content_6910281.htm
スタートアップへの投資などにつき優先株や転換社債、科学成果とストックオプションによる資本参加、知的財産の証券化などについて言及されています。

③汚染物排出の自動モニタリングデータ

最高人民法院、公安部、生態環境部の3部門共同で、環境関連の汚染物排出の自動モニタリング設備への干渉、データの改ざんなどを行ったことに関する処罰事例を公表しています。
https://www.mee.gov.cn/ywgz/sthjzf/zfzdyxzcf/202310/t20231019_1043534.shtml
「COD除去剤」による汚染の隠蔽など、既に他のところでも見たような事例が紹介されていますが、事案の経過が比較的細かく紹介されているので、環境汚染に関する事案の発覚から処罰の決定までのプロセスについて、参考になるものと思います。


2023年10月20日金曜日

会社の印鑑の差押


会社の公印(中国語「公章」)は、会社名義での各種手続をするのにも、契約を締結するのにも使います。果たして、これが差し押さえられてしまうことがあるでしょうか。

2023年10月18日水曜日

2023年10月16日月曜日

10月第2週:①工業情報化部などの編制変更、②「普恵金融」推進、③中国共産党の幹部教育

①工業情報化部などの編制変更

いくつかの政府部門について、その職責、組織機構などについて、編制の調整が行われています。
工業情報化部については、科学技術部に属していた科学技術開発区などの建設業務や、技術市場・科学技術仲介などの業務が工業情報化部に移されています。
https://www.gov.cn/zhengce/202310/content_6908734.htm(工業情報化部)
中国人民銀行、国家衛生健康委員会、社会科学院についても同様にいくつかの組織や職責の調整が行われているようです。

②「普恵金融」(Financial Inclusion:金融包摂)の推進

普遍的にあまねく全ての人々が金融サービスを受けられることを推進していくということで、「普恵」、普遍的に恩恵のある金融体系についての実施意見が国務院から出ています。
https://www.gov.cn/zhengce/content/202310/content_6908495.htm
農村などで金融機関の視点などが置かれていない地方でも金融や保険のサービスが受けられる、零細企業や個人事業主でも直接に融資が受けられる、脱貧困のための小額貸付が得られるなど、広く金融サービスが受けられることを目標としています。
地方ごとの特徴ある農産品保険の奨励など、比較的具体的な施策も挙げられています。
消費水準がまだそれほど高くない地方都市や農村に向けたビジネス展開を考慮するときには、これら政策の活用も考慮いただくと有益かと思います。

③中国共産党の幹部教育

これは業務にはほとんど関係ないのですが、中国共産党中央委員会から幹部の教育研修に関する業務についての条例の改正が公表されていました。
https://www.gov.cn/zhengce/202310/content_6909282.htm
内容については勉強不足なのでよく分からないのですが、研修に参加する日数や時間数が決められているようで、また財政支出によらず本人負担で参加しなければならない研修もあるなど、幹部になるのも楽ではなさそうだということだけは感じられます。

2023年10月13日金曜日

銀行口座の開設(会社名義の銀行口座)

中国では、会社設立と銀行口座開設は一連の手続です。
そもそも資本金を払い込む時点から、資本金を払い込む基本口座という口座を開設する必要があり、それが会社設立の手続の一部として組み込まれています。

2023年10月11日水曜日

売買代金額の75%の支払(所有権留保の75%ルール)

所有権留保付き売買について、中国には独特なルールがあります。

所有権留保の約定があっても、買主が75%以上の代金を支払っていると、売主は目的物を取り戻すことができなくなります(《売買契約紛争事件を審理する際の法律適用問題に関する最高人民法院の解釈(2020年)》第26条)。

2023年10月9日月曜日

9月第5週:①企業档案管理規定、②ネット暴力違法犯罪に関する指導意見、③10月の「敬老月」活動

先週は国慶節の連休でしたので、1週間遅れて、9月末の分をご紹介します。

①企業档案管理規定

企業档案管理規定が改正されました。
「档案」とは、企業や個人のさまざまな履歴を保存するファイルのことで、人事档案、文書档案、会計档案など様々な種類の「档案」があり、国や地方政府が保存・管理している档案もあれば、企業その他の組織が保存・管理している档案もあります。
今回の規定は、企業の研究開発、建設、経営及びサービス等の活動により形成される記録に関するものです。
各企業では档案管理のための人員を配置し、火事などに強い場所に保管すべきことなどが規定されています。
また、当然ながら電子データで保存されるものもあるため、档案の情報化という章も設けられています。
なにぶん、档案局という普段あまり業務上かかわることがない政府機関が管轄しているものですから、頻繁に検査が入る安全生産や消防などと違って意識する機会も少なそうですが、情報管理についてはよく話題になる昨今ですので、ご参考までに。

②ネット暴力違法犯罪に関する指導意見

ネット上における誹謗中傷やプライバシー侵害などの行為について、被害者が精神的に追い詰められて自殺などに至ることのほか、社会公衆の安全感も損なわれるということで、取締に関する新しい指導意見が最高人民法院、最高人民検察院、公安部の連名で出ています。
典型事例も発表されています。
ネットを通じて不特定多数に対して個人情報を発信する行為は刑法第253条の1の個人情報侵害罪、悪意をもって煽り立てる行為(いわゆる炎上商法)は刑法第287条の1の情報ネットワーク違法利用罪など、各種の刑法規定が適用されることが紹介されています。

③10月の「敬老月」活動

全国老齢工作委員会から、10月1日~10月31日まで「敬老月」活動を行うという発表がありました。
ボランティアによる独居老人への慰問訪問などの活動が行われるようです。従来から提唱されているITを使った健康管理の普及活動もあります。また、いわゆる健康寿命を延ばすために、太極拳などの伝統的な運動種目を広める活動なども挙げられています。

2023年9月26日火曜日

インボイス制度のインボイス(発票、適格請求書)の書式

日本のインボイス制度、いよいよ来月からスタートです。
直前になってようやくですが、始まるにあたって、これはなかなか大変なことであることが個人的に実感として分かってきたので、少し話題として触れます。

2023年9月25日月曜日

9月第4週:①税務関連業務の基本準則、②道路運送の重大事故リスク判定基準、③ビザ申請書フォーマットの改訂

①税務関連業務の基本準則

税理士事務所及び税務関連の専門サービスを提供する会計士事務所、弁護士事所、財務・税務コンサルティング会社などを対象とした基本準則と職業道徳規則が、国家税務総局から公表されています。
書面での業務報告又は専門的意見を提供する場合は(個人名ではなく)事務所名義で依頼者に対して提出すべきこと、納税状況審査など4類の業務にかかわる場合はその業務を担当した税理士、会計士又は弁護士が捺印すること等が規定されています。
また、業務過程で知り得た国家安全情報や個人情報の秘密保持についても、職業道徳規則で規定されています。国家安全情報の秘密保持については、最近はさまざまな法令で見かけるようになってきました。

②道路運送の重大事故リスク判定基準

交通運輸部から、旅客や貨物の道路輸送に関する重大事故リスクの判定基準が発布されています。
企業が自らチェックして、問題を発見したときは管轄の交通運輸主管部門へ報告するように求められています。物流企業のみが対象ですが、速度超過や積載量超過、運転者の過労など運用面にもかかわる内容のようですので、ご参考までに。

③ビザ申請書フォーマットの改訂

外交部の定例会見で、中国入国のためのビザ申請表フォーマットについて簡素化したことが紹介されていました。
https://www.mfa.gov.cn/web/fyrbt_673021/202309/t20230920_11145944.shtml
学歴や家族情報の記述などの項目が簡素化されたようです。
出張時にビザが必要な状況はまだ続きそうですので、申請するときに手間が少しでも省けるのは良いことかと思います。

2023年9月21日木曜日

2023年9月18日月曜日

9月第3週:①福建省の両岸融合発展モデル区(台湾関係)、②経営者集中(企業結合)に関する独禁法上のコンプライアンス、③企業標準化促進弁法

①福建省の両岸融合発展モデル区(台湾関係)

中共中央と国務院から、台湾と福建省の海峡両岸の融合発展モデル区の建設に関する意見が出ています。
台湾の子女が大陸で就学することなど、台湾との間の人員往来を歓迎する方向のようです。法律職業資格を得た台湾住民が福建エリアで弁護士業務に従事できる範囲を拡大することも述べられています。
厦門(アモイ)と金門島の融合発展の加速ということで、金門島に電気・ガスを通したり橋を架けたり、共用インフラを整備していくことも考えられているようです。また、福州と馬祖島も同じく「同城生活圏」を作り上げようということが書かれています。
その他、かなり読み応えのある内容になっていますので、別の機会にじっくり読み解いてみたいと思います。
ちなみに、これに先立って9月2日、東莞も最も早い時期から台湾企業が進出していた地域であるということで、台湾との連携を深める「合作総体方案」が国務院により認可されています。

②経営者集中(企業結合)に関する独禁法上のコンプライアンス

《反独占法》に基づく経営者集中の申告(独禁法上の企業結合の届出)について、買収・M&Aや合弁会社設立を行う企業側の目線でチェックすべき事項についてのガイドラインが出ました。
申告は集中を実施する前に行わなければならないところ、その「実施」の基準については、登記手続の完了有無だけではなく、経営陣の派遣や実際の経営上の意思決定への関与、敏感な情報の交換や実質的な事業の統合などがあるかどうかが考慮されるとのこと。
合弁会社の新設については、合弁当事者が共同支配権を有する場合は申告対象になるところ、これについて具体的な事例(【案例】)として、事業計画や財務予算、高級管理者の任免など経営管理事項に関する拒否権の有無が挙げられています。
内容はこれまで既に法令で定められているところに準拠しており、新たな規制となるものではありませんが、企業側の目線で整理されているので、とても参考になるものと思います。

③企業標準化促進弁法

1990年に制定された《企業標準化管理弁法》が改正されて、新たに《企業標準化促進弁法》として発布されています。
《標準化法》第27条にも定められている企業標準の自己声明公開及び監督制度によって届出管理制度に代えるということで、公共サービスプラットフォーム上で10分で手続できて費用もかからないとのこと。
また、企業におけるイノベーションに寄与すべく、目立った経済社会的効用を生む企業標準については奨励を与えるとされています。



2023年9月14日木曜日

従業員との間の労働契約書(雇用契約書)の締結義務

労働契約(雇用契約)は、日本では「期間の定めのない」労働契約であることが一般的です。そして、日本では労働契約書を締結することも強制されていません。ですから、長らくの間、そもそも労働契約書を締結しておらず、労働条件通知書のみで雇用関係が成立している状態が「正社員」であって、労働契約書を締結する場合は「契約社員」と称されてきました。

2023年9月11日月曜日

9月第2週:①企業名称管理の細則の改訂、②企業の設備投資に関する税制優遇、③不法移民の送還、④今年の国慶節休暇は8連休

①企業名称管理の細則の改訂

企業名称についての弁法が改正されています。
自己使用目的ではなく悪意をもって先に他社の名称などを登録してしまう行為や、一定の影響力のある名称に近い名称を故意に登録することなどが禁じられています。
また、不正に登録されている企業名称を排除する方法・手続については、従来どおり、①登記機関に名称紛争処理を申請する、②不正競争行為として行政機関に通報する、③人民法院に対して提訴する、これら3つの方法があります。

②企業の設備投資に関する税制優遇

8月はさまざまな税制優遇が相次いで発布されており、特に企業における設備購入を後押しするものが目立つようです。
先進的な製造業企業における仕入増値税控除の優遇措置:
設備・機器等の固定資産の企業所得税上の加速償却:
外資R&D機構における科学研究設備・装置等の増値税還付:

③不法移民の送還

日本でも話題になった不法移民の送還について、この送還前の外国人の身柄拘束中の取扱いに関する規定が出ていました。
ビデオ監視システムの録画資料は少なくとも90日は保存すること、身柄拘束された人員にも毎日2時間以上の室外活動時間を与えることなどが規定されています。
また、送還先は国籍国とは限らず、近くで便利な国に送還するとされています。

④今年の国慶節休暇は8連休

昨年12月に既に発表されていたところですが、今年は中秋節の連休が国慶節の連休とつながって、9月29日から10月6日までの8連休になっています。
https://www.gov.cn/gongbao/content/2023/content_5736714.htm
10月7日と8日の土日が振替出勤になっていますので、私を含め、中国業務にかかわる皆様にとっては多少不便があるかもしれません。スケジュール帳に書いておいていただければと思います。